
Service 04
社内文書が構造化されていなければ、AIは正確に答えられません。「だいたい合っている要約」を返すだけでは、業務では使い物にならないからです。RAG構築でつまずくのは、AIの性能が足りないからではなく、社内の知識を検索前にどう構造化するかを飛ばしているからです。社内の知識は、正確な集計が要る表のデータ、意味の近さで探す文書、組織や依存関係のようなつながりの3種類に分かれ、それぞれ検索の戦略が違います。これを全部1つのベクトル検索に投げ込むと、数値の質問には推測で答え、更新されていない古い文書を平気で正解として返す、というどれも中途半端な結果になります。
ARCHECOは、精度をあとから上げるのではなく、入れる前の設計で決めます。まず社内文書の棚卸しを行い、どこに何があり更新は誰の担当かを洗い出します。次にAIが読める形へ構造化し、文書の性質に応じてチャンクの単位を決める。そのうえで、数値はデータベースへの問い合わせ、文書はベクトル検索とハイブリッド検索、関係性はグラフ探索というように、問いの型に応じて参照先を切り替える検索パイプラインを設計します。ベクトルデータベースの選定、Embeddingモデルの評価、リランキングの実装、そして回答の根拠を示しハルシネーションを検知するガードレール設計までを一貫して行います。この順番を飛ばすと、更新されない文書を正解として返し続ける事故につながります。
社内の知識を3種類に区分し、集める工程と絞る工程の2段階に分けることで、検索の精度が上がります。社員が実際に使うのは、いつもの業務画面から自然文のまま聞け、根拠の原文を1操作で開ける状態です。閲覧権限のない文書は検索結果にも出さないように制御し、出典なしでは答えさせない設計にすることで、誤った回答をそのまま信じてしまう事故を防ぎます。文書は更新され続けるものなので、利用ログを分析しながら精度を保つ運用まで含めて設計します。答えが合っていることよりも、根拠をすぐに原文で確認できることのほうが、社内GPTが日常的に使われ続けるかどうかを決めます。

01
STEP 01
対象となる社内文書・データソースを洗い出し、どこに何があり、更新は誰の担当かを明確にします。表のデータ・文書・組織のつながりでは検索の戦略が異なるため、種類ごとにチャンキング単位とメタデータ設計を分けて行います。ここを飛ばすと、更新されない古い文書を正解として返す事故につながります。
Method
データソースインベントリ
データ品質アセスメント
チャンキング戦略設計
メタデータスキーマ設計
Output
データ構造化計画書
メタデータ定義書
ベクトルデータベースの選定、Embeddingモデルの評価を行い、問いの型に応じて参照先を切り替える検索パイプラインを設計します。数値の質問はデータベースへの問い合わせ、文書の質問はハイブリッド検索とリランキング、というように答え方を使い分けることで、検索が1つしかないために起きる誤答を防ぎます。
Method
ベクトルDB選定・構築
Embeddingモデル評価
検索パイプライン設計
リランキング実装
Output
RAGシステム
検索精度評価レポート
構築したRAG基盤の上に、社員が業務の流れの中で自然文のまま聞ける対話型インターフェースを開発します。閲覧権限のない文書は検索結果にも出さないアクセス制御と、回答の根拠となる原文をワンクリックで開ける出典表示を実装します。
Method
チャットUI開発
権限管理実装
出典表示機能実装
Output
社内GPTアプリケーション
管理者ダッシュボード
文書の更新やモデルの変更で精度は必ず落ちていくため、評価用の質問セットで定期的に測定し、誤りが出た質問をセットに追加していく改善サイクルを構築します。新規文書の自動取り込みと古い文書の失効フローまで含めて運用設計します。
Method
精度評価・改善サイクル設計
自動インデックス更新設計
利用ログ分析
Output
精度改善レポート
ナレッジ運用ガイドライン
利用状況分析ダッシュボード
PROOF
社内AIの成否は、モデルの性能より、社内データをどこまでAIが読める形にできたかで決まります。実装から得た知見を並べます。
CASE STUDIES
ABOUT RAG
社内文書をAIに接続するRAGの構築を検討している方に向けて、仕組み、構築手順、精度を決める要因、費用の考え方、そして導入後に使われなくなる問題までを整理しました。
RAG(検索拡張生成)は、質問に答える前に社内文書を検索し、見つかった内容を根拠にAIが回答する仕組みです。社内の知識に答えられるAIを作る方法として、現在の標準になっています。
流れは2段です。質問に関係する文書の断片を検索で集め、それを材料にAIが回答を組み立てる。AI自体に知識を覚えさせるのではなく、答えるたびに資料を渡す方式なので、文書を更新すれば回答も新しくなります。この「知識の更新が文書の更新で済む」性質が、業務利用でRAGが選ばれる理由です。
ファインチューニングはモデル自体を追加学習させる方法で、口調や形式の学習には向きますが、事実知識の追加には不向きで、更新のたびに再学習が要ります。社内文書に答えさせる用途なら、まずRAGが正解です。両者は対立ではなく併用もできますが、順序は常にRAGが先です。
生成AIの一般知識は業務では役に立たず、業務の答えは社内文書にあるからです。加えて、回答の根拠となった文書を示せるため、ハルシネーション(もっともらしい誤答)を人が検証できる。精度と検証可能性の両方を実務水準に引き上げたのがRAGです。
「社内チャットボットを入れたい」という相談の中身は、多くの場合RAGの話です。呼び名が違うだけで、社内の質問に答えるAIの中核はここで説明している仕組みそのものです。
社内チャットボットには、想定問答を登録するFAQ型、分岐を設計するシナリオ型、そして社内文書を検索して答える生成AI型があります。前の2つは「登録した質問」にしか答えられず、メンテナンスが続かず放置されるのが典型的な失敗です。文書を更新すれば回答が変わる生成AI型——その中身がRAGです。
判断軸は3つです。対象が総務・情シスの定型問い合わせだけなら既製ツールで足ります。答えの根拠になる文書が頻繁に更新される、部署ごとに見せてよい文書が違う、問い合わせ対応の先で検索や要約にも広げたい——この3つのどれかに当てはまるなら、基盤として構築するほうが結局安くつきます。
社内チャットボットの費用対効果を問い合わせ削減だけで測ると、たいてい投資に見合いません。同じRAG基盤が、規程の検索、議事録の要約、ドラフトの下書きへ広がって初めて回収線を越えます。入口はチャットボットでも、設計は基盤として行う。これがこのページ全体でお伝えしたいことです。
構築は5工程です。技術要素の名前は難しく見えますが、やっていることは「文書を検索できる形に整えて、AIに渡す」の一本道です。
どの文書を対象にするかを決め、重複・旧版・誤りを整理します。構築の成否はこの工程でほぼ決まります。ゴミ文書を入れれば、検索がゴミを見つけてAIがゴミを根拠に答えます。全文書を一括投入するのではなく、よく使う領域から絞って始めるのが定石です。
文書を検索しやすい単位に切ります。切り方が粗いと関係ない部分まで混ざり、細かすぎると文脈が切れて意味が失われます。文書の種類(規程・議事録・マニュアル)ごとに適切な切り方が違うため、ここは一律の設定ではなく実データでの調整が要ります。
文書の断片を、意味の近さで検索できる形式(ベクトル)に変換して格納します。ここはツールが担う部分で、選定の論点は精度よりも、権限管理・日本語対応・運用コストです。
検索結果をどう並べ、AIにどう渡すかを設計します。「見つかった文書だけを根拠に答え、無ければ無いと言う」という指示の作り込みが、実用の信頼性を決めます。分からないときに分からないと言えるAIは、設計しないと生まれません。
実際の業務の質問を集めたテストセットで、回答の正しさを測ります。体感での「良くなった気がする」は評価ではありません。質問セットは構築前から集め始めてください。現場から集まる「本当に聞きたいこと」が、そのまま設計の仕様になります。
「RAGの精度が出ない」という相談の原因は、ほぼこの3つに帰着します。モデルの賢さは、たいてい犯人ではありません。
回答の上限は文書の質で決まります。文書が古い・矛盾している・そもそも書かれていない場合、AIはそれを直せません。精度改善の投資先として、モデル変更よりも文書の整備のほうが効く場面は非常に多いです。
標準のベクトル検索(意味の近さ)は、型番・固有名詞・数値の検索が苦手です。業務の質問にはこれらが頻出するため、キーワード検索と組み合わせるハイブリッド化が実用の定番になっています。「似た話」ではなく「その話」を見つけられるかが、業務利用の分かれ目です。
「AとBの違いは」「最新の版はどれか」のような、複数文書の比較や集計が要る質問は、単純な検索では答えられません。利用者の質問の型を観察して、多い型に対応する追加設計を入れる。導入後の改善は、この地道な繰り返しです。
「RAG構築の料金はいくらか」は検索でもよく聞かれる質問ですが、金額の答えは条件次第でしか出せません。金額を動かす変数を並べます。
対象文書の量と状態(整備が要るか)、権限管理の複雑さ(誰がどの文書を見てよいか)、求める精度水準、既製サービスを使うか自前で組むか。この4つでほぼ決まります。とくに文書の整備と権限は見積もりから漏れやすく、後から膨らむ典型です。
社内QA用途なら既製のRAG搭載サービスで足りることが多く、自前構築が要るのは、権限・既存システム接続・回答形式に固有の要件がある場合です。順序としては、既製で試して要件の輪郭を掴んでから、足りない部分だけ自前化するのが安全です。最初から大きく作る判断は、要件が本当に固まっている場合に限られます。
構築後も、文書の更新反映・精度の監視・API費用が毎月かかります。とくに文書のメンテナンス体制(誰が文書を直すのか)は費用というより組織の問題で、ここが決まっていないRAGは構築の半年後に古い回答を返し始めます。
社内文書を扱う以上、ここの設計を後回しにはできません。論点は2つです。
人事評価や経営資料が、RAG経由で全社員に読める状態は事故です。元の文書の閲覧権限を検索段階で尊重する設計(利用者が読めない文書は検索対象から外す)が必須で、これは後付けが難しいため、最初の構成選定の条件に入れてください。
文書とベクトルデータがどこに保存され、モデル提供元に学習利用されない契約か。ここは生成AI導入全般と同じ論点ですが、RAGは機密文書そのものを預けるため、要求水準を一段上げて確認します。
技術的に成功したRAGが、利用されずに止まる例は珍しくありません。検索上位の構築ガイドはここをほぼ書いていませんが、投資対効果を決めるのはこの部分です。
利用者は数回試して外れると戻ってきません。全社公開の前に、よく聞かれる領域で精度を作り込み、答えられる範囲を明示して出すこと。「何でも聞いて」と出して外すより、「この範囲は答えられる」と出して当てるほうが、利用は定着します。
人に聞くほうが早い、という既存の習慣にRAGは負けます。定着した組織がやっているのは、問い合わせ窓口の一次対応をRAGに寄せる・回答に根拠文書のリンクを付けて二度目から自走できるようにする、といった導線の設計です。ツールの品質と同じくらい、導線が利用率を決めます。
答えられなかった質問のログは、どの文書が足りないかの一覧そのものです。これを文書整備の優先順位に回す循環を作ると、RAGは使うほど賢くなります。循環の担当が決まっていないRAGは、初期品質のまま劣化していきます。
NEWS & BLOG
SOLUTIONS
このサービスで使う開発手法・契約モデル・技術方式です。


FAQ
ご相談の前によくいただく質問です。解決しない点はお気軽にお問い合わせください。
01
社内GPTは社員が使う対話画面のことで、RAGはその裏で正確な回答を作るための検索の仕組みです。社内GPTだけを導入してもAI自体の知識でしか答えられず、社内の最新情報には対応できません。RAG構築によって、社内文書を検索してから回答を生成する構成にすることで、初めて自社の情報に基づいた正確な回答が可能になります。
02
対象とする文書の量や種類、求める精度によって変わるため、定額では提示していません。まずは無料の社内AI診断で、どの文書から着手すべきか、どこを直せば精度が上がるかを具体的に見立てたうえで、概算をお出しします。
03
始められますが、全部を一度に入れるところからは始めません。よく参照され、更新の担当が決まっている文書から着手します。整理されていない文書をまとめて投入すると、古い版を正解として返すようになり、かえって信頼を失うからです。
04
何もしなければ落ちます。文書は更新され、モデルも変わるからです。評価用の質問セットを定期的に測定し、誤りが出た質問をセットに追加していく運用まで含めて設計します。
Plans
受託開発(1年以内のカスタム開発)、代理出産型プロフィットシェア(ARCHECOが事業運営を主導、無償保証・サービス譲渡確約付き、2〜3年計画)、ジョイントベンチャー(双方が資本出資し事業体を共同設立、2〜3年計画)、スウェットエクイティ(労働力を株式として投下)。事業フェーズとリスク許容度に合わせて、最適な契約形態を設計します。どの契約を選んでも、事業を当てることへのこだわりは変わりません。
Plan 01
ARCHECOのソリューションライブラリと自律型AI開発エージェントを活用し、1年以内でカスタムシステムを構築・納品します。AI戦略策定からAgentic RAG構築、業務特化型プライベートSaaS開発、UX/UIデザインまで、事業に必要な全工程を一気通貫で実行します。

Plan 02
ARCHECOが事業の企画・開発・運営を主導し、2〜3年計画で事業を立ち上げます。無償保証、サービス譲渡確約、採用代行を含むリスク軽減策をセットで提示。事業が黒字化して初めてARCHECOの収益が発生するプロフィットシェア構造により、全員が事業の成功だけに集中します。

Plan 03
クライアント様とARCHECOが資本を出し合い、新たな事業体を共同設立します。双方からの人材出向・採用により、独立した組織として事業を推進。既存事業のルールや予算制度に縛られない「出島」として機能し、スタートアップと同等のスピードと柔軟性で意思決定を行います。

いまの社内文書が、AIで使える状態にあるかを無料で診断します。どの文書から入れるべきか、どこを直せば精度が上がるかを具体的にお返しします。
※弊社のリソース状況によってはお受け出来ないことがございます。