AIの活用事例。自動化できる業務10種と、生成AI・RPA・AIエージェントの使い分けをまとめた図解

AIの活用事例|自動化できる業務10種と、公表値だけで読む7社

「生成AIの活用事例7選|公表値だけで読む、効果の出た場所」の全体像をまとめた図解|「他社はどこまでやっているのか」——生成AIの社内導入を任された担当者が、稟議の材料としていちばん最…

「他社はどこまでやっているのか」——生成AIの社内導入を任された担当者が、稟議の材料としていちばん最初に集めるのが活用事例です。ところが検索して出てくる事例集の多くは、ツール会社の宣伝か、効果の数字が書いていない紹介文です。

この記事では、企業自身または大手報道が公表した数字だけを使って、日本企業の生成AI活用事例を6社ぶん整理します。7社目には、本メディア運営会社の自社事例を同じ形式で並べます。並べて見えてくる方向性と、事例を稟議に使うときの読み方の注意まで話をしていこうと思います。

① 事例を読む前に|見るべきは「数字の単位」

「事例を読む前に|見るべきは「数字の単位」」を図解したスライド|生成AIの活用事例は、効果の数字の単位で読むと比較できるようになります

生成AIで何が自動化できるかをすでにご存じの方は、② セブン-イレブン|商品企画の期間を10分の1にから読み進められます。

AIによる業務自動化とは

AIによる業務自動化とは、これまで人が判断しながらやっていた作業を、AIに任せて処理させることです。生成AIが実用になったことで、対象が大きく広がりました。

従来の自動化との差は「決まっていない仕事を扱えるか」です。手順が固定された作業は以前から自動化できましたが、文章を読んで要点を取り出す、内容で分類する、といった作業が新しく入りました。

生成AIとは|4つの種類

生成AIとは、学習した内容をもとに新しい内容を作り出すAIのことです。

  • テキスト生成 — 文章の作成、要約、翻訳、分類
  • 画像生成 — 図版、写真風の画像、デザイン案
  • 音声生成 — 読み上げ、音声の合成
  • 動画生成 — 短尺の映像、素材の作成

業務自動化で効果が出ているのは、圧倒的にテキスト生成です。社内に溜まっているものの大半が文書であるためです。

AIとRPAの違いと、使い分け

得意なこと止まるところ
RPA決められた手順を、正確に、大量に繰り返す画面や様式が変わったとき
生成AI文章を読む・書く・分類する。判断を含む作業毎回同じ答えが要る処理
AIエージェント複数の道具を使い、手順を最後まで実行する目的が曖昧なとき

対立ではなく、組み合わせです。「読んで判断する」ところをAIが、「決まった操作を繰り返す」ところをRPAが持つ——この分担が、いまいちばん現実的な形です。

AI自動化の仕組み

道具の中身は、おおむね次の層でできています。

  • データの取り込みと前処理 — 文書、帳票、ログを読める形にする
  • 判断の部分(AIモデル) — 分類する、要点を取り出す、文章を作る
  • 実行の部分 — 業務システムやAPIを呼んで、実際に処理する
  • オーケストレーション — どの順で何を動かすかを管理する
  • 人の確認(HITL) — 決められた点で、人が見る

5つ目を最初から設計に入れてください。後から足そうとすると、どこに差し込めばよいかが分からなくなります。

AIで自動化するメリット

  • 定型業務だけでなく、非定型の業務まで扱える
  • 24時間365日動く — 夜間と休日の待ち時間が消える
  • 人為的なミスが減る — 疲れや慣れによるばらつきが出ない
  • 作業の自動化から、工程の代行へ広がる — 1作業ではなく、受け取ってから返すまでを任せられる
  • 人が判断と対人の仕事に回れる

4つ目が、いま起きている変化の中心です。「入力を自動化する」から「問い合わせを最後まで処理する」へ、単位が上がっています。

自動化できる業務1|問い合わせ対応・チャット

社内外からの質問に、資料を参照して一次回答します。

効果は「解決率」で測ってください。応答した件数で測ると、答えられていない応答も数に入ります。

自動化できる業務2|文書の作成・要約・検索

議事録、報告書、マニュアル、提案資料の下書き。長い技術文書を短い要約に落として、検索できるようにする使い方も含みます。

「作る」より「探せるようにする」ほうが、効果が読みやすいのが実務の感覚です。探す時間は測れますが、文章の質は測りにくいためです。

自動化できる業務3|紙資料の電子化と横断検索

紙やPDFを読み取って構造化し、部署をまたいで検索できる状態にします。

ここが済んでいないと、他の自動化も進みません。材料が読める場所に無ければ、AIに渡せません。

自動化できる業務4|リサーチと調査

市場調査、競合の比較、技術情報の収集と整理。

自動化できる業務5|営業関連

商談前の下調べ、提案資料の下書き、商談記録の要約と登録、追客の管理。

いちばん外れにくいのは、商談記録の要約と登録です。正解が手元にあり、やらないと溜まる作業だからです。

自動化できる業務6|マーケティングと制作

広告クリエイティブ、バナー、記事、SNS投稿の制作。案の量を出す工程で効果が大きくなります。

自動化できる業務7|コールセンター・カスタマーサービス

一次対応、応対内容の要約、後処理の記録作成。

後処理(アフターコールワーク)の自動化が、いちばん現場に歓迎されます。対応そのものより先に、ここから入るのが実務的です。

自動化できる業務8|ソフトウェア開発

要件の整理、コードの生成、レビュー、エラーの解析、テストの作成。

自動化できる業務9|製造・設計

図面と仕様の照合、技術文書の検索、過去の知見の引き出し、デザイン案の生成。

技術伝承の文脈で使われるのが、この領域の特徴です。退職で失われる知見を、文書から引ける形に変える使い方です。

自動化できる業務10|バックオフィス

経費精算、帳票の読み取り、突き合わせ、申請の作成と不備の検出。

生成AIが苦手なこと・自動化の限界

  • 毎回まったく同じ答えを返すこと — 判定や計算には向かない
  • 正確な計算と集計 — 数を数える仕事は別の仕組みに任せる
  • 最新の事実や社内固有の情報 — 検索(RAG)で渡さないと答えられない
  • 責任を伴う最終判断 — 根拠は出せても、責任は持てない

1つ目と2つ目は、RPAや従来のシステムの領分です。無理にAIに寄せると、確認の手間が増えて元が取れません。

ツールの選び方

見るところ確かめ方
目的を実現できるか自社の課題を1つ挙げ、それが解けるかで試す
現場が使えるか担当者本人に触ってもらう。管理者が判断しない
日本語の性能自社の文書を実際に入れて確かめる
既存システムと繋がるかAPIの有無と、連携の実績
拡張できるか対象業務を増やしたときに、作り直しにならないか
セキュリティとガバナンス入力が学習に使われないか、権限をどう絞れるか、記録が残るか

2行目を管理者だけで判断すると、導入後に使われない道具が残ります。

導入ステップ1|現状分析と対象業務の選定

いまの業務を洗い出し、量が多く・手順が繰り返され・正解が確かめられる作業を選びます。

「いちばん大変な業務」から始めないでください。大変な業務は、たいてい判断が複雑で、効果も測りにくくなっています。

導入ステップ2|PoC(実現可能性の検証)

小さく作って、決めた指標で測ります。

合格の条件を、始める前に決めてください。「便利だった」で終わるPoCの多くは、合否の定義が無いまま始まっています。

導入ステップ3|本格導入と効果測定

体制、権限、監視、改善の担当を決めて広げます。

効果は、削減時間だけでなく「その時間で何ができるようになったか」まで書けると稟議が通ります。

課題1|導入コストと費用対効果

利用料だけでなく、データ整備、教育、運用、監視の工数を含めて比べます。

抜けやすいのは、確認にかかる時間です。AIの出力を人が確かめている限り、その時間は費用として残ります。

課題2|セキュリティとプライバシー

  • 入力が学習に使われない契約になっているか
  • 個人情報や機密文書を、どの区分まで入れてよいか
  • 誰が何を聞いたかの記録が残るか
  • AIが読める範囲=漏れうる範囲という前提で権限を設計しているか

課題3|ハルシネーション(もっともらしい誤り)

事実でない内容を、自信をもって返すことがあります。

参照した根拠を必ず出させ、突き合わせできる形にしてください。社内の情報を扱うなら、RAG(検索して渡す仕組み)と組み合わせるのが基本です。

課題4|従業員の理解とAIリテラシー

道具を配っただけでは使われません。

反対の理由の多くは「仕事が奪われる」ではなく「使い方が分からない」です。自分の業務でどう使うかの例を、部署ごとに1つずつ用意してください。

成功させるポイント

  • 業務フローを整理し、導入目的を1つに絞る
  • 目的に合った道具を選ぶ — 万能の道具を探さない
  • 運用ルールとガイドラインを先に決める — 使ってよい情報、禁止事項、相談先
  • 精度を上げる工夫を入れる — 検索との組み合わせ、指示の型を共有する
  • 小さく始めて、効果を数字にしてから広げる

3つ目を後回しにすると、把握されていない利用が社内に増えます。

規模別の進め方

始め方注意点
大企業全社基盤を作り、部署ごとに使いみちを募る基盤だけ作って、使いみちが無い状態になりやすい
中小企業1業務からのスモールスタート担い手が1人に集中しやすい。引き継ぎを決めておく

活用事例を読むときの注意

公開されている事例には、公表値と推定値が混ざっています。

  • その数字は、その会社が自ら公表しているか
  • 効果の単位は何か — 時間か、件数か、率か、金額か
  • 対象は全社か、一部の部署か
  • 実証実験の結果か、本番稼働の結果か

2つ目が、事例を比べるときの鍵になります。単位が違う数字を並べても、大小は比べられません。

生成AIの活用事例は、効果の数字の単位で読むと比較できるようになります。時間なのか、件数なのか、率なのか。単位が業務の性質を表すからです。先に6社を一覧にします。

企業業種使いどころ公表されている効果・規模
セブン-イレブン小売。商品企画。企画期間を最大10分の1に短縮。
アサヒビール飲料メーカー。技術文書の検索・要約。文書を100文字程度に自動要約。
日清食品グループ食品メーカー。全社の対話型AI。25社・約5,500名が利用。1人あたり年79時間超の削減。
メルカリEC・フリマ。出品体験への組み込み。売れ残り商品への改善提案から開始。
サイバーエージェント広告・IT。広告制作。3か月で約10万本を制作。
LINEヤフーIT。開発支援。約7,000名に導入。コーディング時間を1日1〜2時間削減。
ARCHECO(運営会社)開発・デザイン。社内AI基盤の内製。ナレッジ・ミニアプリ・権限を4レイヤーの基盤に統合。

先に断っておくと、この記事は20選・50選のような件数を目的としません。業種別に数を集めた一覧は他所に山ほどあり、1,000件級のデータベースまで存在します。ここで絞ったのは、効果の数字と出どころを1件ずつ確かめられる事例だけを、読み方ごと渡すためです。

以下、1社ずつ見ていきます。出典はすべて各社の発表または大手報道です。

ここまでが、AIによる業務自動化と、生成AIで何ができるかの教科書どおりの整理です。自動化できる業務を選び、道具を選び、小さく試して、ルールを決めて広げる。

この記事の後半は、その一般論ではなく実物を並べたものです。各社が自ら公表している数値だけを使い、効果の単位ごとに読み替えられる形で7件。20選・50選ではなく、出どころを1件ずつ確かめられるものだけを置きます。

② セブン-イレブン|商品企画の期間を10分の1に

セブン-イレブン公式サイト(2026年8月取得)

セブン-イレブン・ジャパンは2024年春から、商品企画に生成AIを導入しました。全店舗の販売データとSNS上の消費者の声を分析し、商品の説明文や画像の案をAIに作らせます。これで企画にかかる期間を最大10分の1に短縮するとしています(日本経済新聞、2023年11月報道)。

注目すべきは、生成AIの前に「全店舗の販売データ」という分析の土台があることです。文章や画像を作る力だけでは、企画は10分の1になりません。何が売れているかのデータが先にあり、生成はその上に載っています。

③ アサヒビール|技術文書を100文字に要約して検索

アサヒビール公式サイト(2026年8月取得)

アサヒビールは2023年9月、Azure OpenAI Serviceを使った社内情報検索システムを試験導入しました。醸造ノウハウなどの技術文書を生成AIが100文字程度に要約し、検索結果と一緒に表示します。まずR&D部門から使い始め、グループに点在する技術情報の集約を目指す設計です(IT Leaders・日経クロステック、2023年9月報道)。

この事例の型は「検索の答えを短くする」です。文書を作る話ではなく、既にある文書へたどり着く時間を削っています。社内に文書が大量にある会社ほど、この型の効果が大きく出ます。

④ 日清食品グループ|全社AIで1人あたり年79時間の削減

日清食品グループ公式サイト(2026年8月取得)

日清食品グループは2023年、独自の対話型AI「NISSIN AI-chat」を全社展開しました。GPT・Gemini・Claudeを切り替えて使える社内専用ツールです。グループ25社・約5,500名が利用しています。公表されている効果は、1人あたり年79時間超・金額換算で年18万円の削減。営業部門では7割が活用しているとされています(日清食品グループ発表・Business Insider Japan・日経クロステック)。

この事例で覚えておきたいのは、トップダウンの速さです。2023年4月3日の入社式でCEOがChatGPTで作ったメッセージを披露し、そこから一気に全社展開へ進みました。ツールの性能ではなく、経営層が先に使ってみせたことが普及の起点になっています。

⑤ メルカリ|顧客の画面の中に組み込む

メルカリ公式サイト(2026年8月取得)

メルカリは2023年10月、生成AIを使った「メルカリAIアシスト」の提供を始めました。社内の業務効率化ではなく、顧客が使う画面そのものへの組み込みです。売れ残っている商品に対して、商品名や記載内容の改善を提案する機能から始まりました。対象は20カテゴリーからのスタートです。2024年9月には、写真を撮ってカテゴリーを選ぶだけで商品情報の入力が終わる「AI出品サポート」へ発展しています(メルカリ発表)。

社内向けか、顧客向けか。この線を越えると、生成AIは費用削減の道具から、サービスの競争力そのものに変わります。

⑥ サイバーエージェント|広告制作を3か月で約10万本

サイバーエージェント公式サイト(2026年8月取得)

サイバーエージェントは、効果予測AIとセットで広告クリエイティブを作る「極予測AI」を運用しています。制作の8割以上を内製し、四半期(3か月)で約10万本の広告を制作。導入事例ではCVR(コンバージョン率)が170%に改善したケースや、獲得件数が163%になったケースが公表されています(サイバーエージェント発表)。

この事例の要点は、生成と予測の組み合わせです。作るAIだけでは本数が増えるだけですが、効果を予測するAIで選別することで、量が質に変換されています。

⑦ LINEヤフー|全エンジニアの開発時間を1日1〜2時間削減

LINEヤフー公式サイト(2026年8月取得)

LINEヤフーは2023年10月、開発に携わる全エンジニア約7,000名を対象に、AIペアプログラマー「GitHub Copilot for Business」の導入を始めました。約550名での試験期間では、1人あたりのコーディング時間が1日約1〜2時間減りました。開発活動の指標も10〜30%改善したと公表されています。導入と同時に、著作権侵害を防ぐ講習の受講を全員に義務付けました。生成コードは複数レビューを徹底するルールも敷いています(LINEヤフー発表・ITmedia)。

効果の数字と一緒に、リスク対応(講習の義務化・レビューの徹底)まで公表しているのがこの事例の価値です。稟議では効果だけでなく、この統制側の設計がそのまま参考になります。

⑧ ARCHECO|散らばったナレッジを、社内AI基盤に集めた

ARCHECO公式サイト(2026年8月取得)

7社目は、本メディアの運営会社であるアルチェコの自社事例です。他社と同じ形式で並べます。

踏んだ課題は、多くの会社と同じでした。生成AIのツールは入れたのに、ナレッジが人とフォルダに散在したまま。セキュリティ・使い勝手・組織への実装の壁に阻まれて、「結局使われない」状態が続くというものです。

対処として内製したのが、社内AIプラットフォーム「Business Brain」です。中身は、ミニアプリ(業務効率化の小さなAIアプリ)の登録・管理、社内ドキュメントのナレッジWiki、ロール別の参照権限の管理です。これをWiki・Project・Apps・Userの4レイヤー構成で1つに統合しました。技術面では、認証基盤とVPS上のバックエンドを自前で持ちます。外部のLLMとローカルLLMは、用途で使い分けています。会社の正本ドキュメントを読み込ませてあり、「会社のビジョンは?」といった問いに正本を参照して答えます。そこから議事録の集約、書籍原稿の執筆支援へと役割が広がっています。

ただ、効果の数字より先に共有したい学びは、定着のさせ方です。「導入して終わり」にせず、まず社内で毎日使うドッグフーディングを起点に、うまくいった使い方を成功事例として流通させる。実は、過去に入れて使われなかったツールとの違いは、この「使われる状態まで持っていく」工程を最初から計画に入れたことにあります。

⑨ 7社を並べて見える、3つの方向性

「7社を並べて見える、3つの方向性」を図解したスライド|一覧に戻って並べ直すと、7社の活用は3つの方向に整理できます

一覧に戻って並べ直すと、7社の活用は3つの方向に整理できます。

方向性中身該当する事例
時間の圧縮既存業務の所要時間を削る。セブン-イレブン、LINEヤフー、日清食品。
知識の民主化一部の人しか届かなかった情報に、全員が届くようにする。アサヒビール、日清食品、ARCHECO。
顧客体験への組み込み社内ではなく、顧客の画面の中で価値を出す。メルカリ、サイバーエージェント。

多くの会社は「まず社内の時間の圧縮から」という入り方をします。ただし、圧縮は競合も同じことができるため、差になりにくい。並べてみると、先行企業ほど「顧客体験への組み込み」へ軸足を移しているのが分かります。

業種の偏りにも触れておきます。効果を数字で公表しているのは、小売・食品・IT・広告に集中しています。製造・金融・医療は導入の報道こそ多いものの、具体的な数字の公表はまだ少ない。公表値だけで書くと業種が偏る——この偏り自体が、いまの生成AI活用の実態です。

事例を稟議に使うときの注意も書いておきます。公表値は、うまくいったケースの数字です。1日1〜2時間の削減は試験参加の約550名での実測であって、7,000名全員の保証ではありません。母数・期間・単位を原文で確かめてから引用する。これだけで、稟議の数字の信頼度は大きく変わります。

ここで、今後の見立ても書いておきます。7社の取り組みはどれも「人が使う道具」としての生成AIですが、この先は、目標を渡して業務を任せる「AIエージェント」の段階へ活用が進みます。その段階の各社の取り組みは、AIエージェントの事例7件の記事で同じ公表値方式で整理してあります。セットで読むと、道具から任せる相手までの地続きが見えるはずです。

⑩ 次に読む記事

事例の次に読むと繋がる記事を並べておきます。

よくある質問

Q. 生成AIの活用事例で、効果が公表されている企業はどこですか? A. セブン-イレブン(商品企画の期間を最大10分の1)と日清食品グループ(1人あたり年79時間超の削減)が代表例です。LINEヤフー(コーディング時間を1日1〜2時間削減)も公表しています。サイバーエージェント(3か月で約10万本の広告制作)も数字を出している会社です。

Q. 生成AIの活用は何から始める企業が多いですか? A. 既存業務の時間圧縮(文書作成・検索・要約・コーディング支援)から始める企業が多数派です。ただし先行企業は、メルカリやサイバーエージェントのように、顧客が触れるサービスの中へ生成AIを組み込む段階に進んでいます。

Q. 事例の数字を稟議に使うときの注意はありますか? A. 母数・期間・単位を原文で確かめることです。公表値は試験参加者など限られた母数での実測であることが多く、全社に同じ効果を約束する数字ではありません。出典と条件をセットで書くと、稟議の信頼度が上がります。

Q. 生成AIとAIエージェントの事例は何が違いますか? A. 生成AIの事例は「人が使う道具」としての活用が中心で、AIエージェントの事例は「人が任せる相手」として業務を自律的に進めさせる段階です。後者は別記事で7件整理しています。

Q. 中小企業でも生成AIの効果は出ますか? A. 出ます。この記事の7社目(運営会社)は少数のチームですが、外部LLMとローカルLLMの使い分けと権限管理を組み合わせて、社内AI基盤を低コストで内製・運用しています。大企業のような専任部門がなくても、身近な業務のドッグフーディングから始める形が現実的です。

Q. 生成AIの導入はどう進めればよいですか? A. 事例を集める→自社の業務で試す範囲を決める→小さく使い始めて成功例を社内に流通させる、の順が定石です。導入して終わりにせず「使われる状態まで持っていく」工程を最初から計画に入れることが、定着の分かれ目になります。

Q. 生成AIの活用が失敗する原因は何ですか? A. よくあるのは、ツールだけ入れてナレッジが散在したままのケースと、効果を測る単位を決めずに始めるケースです。何の時間が何時間減ったら成功か、を先に決めてから使い始めると、続けるか否かの判断ができます。

Q. ChatGPTをそのまま使うのと、社内専用AIは何が違いますか? A. 情報の扱いと定着の設計が違います。日清食品や運営会社の事例のように、社内専用の環境では渡してよい情報の線引きと権限管理を仕組み側に持てるため、業務の中心に近い情報まで安心して扱えます。

この記事を書いた会社について

アルチェコ(ARCHECO)は、UXデザイン・AI開発・新規事業開発を組み合わせた事業共創スタジオです。⑧の社内AI基盤Business Brainをはじめ、生成AIの導入を社内の実運用で実践しています。「導入して終わり」にせず、「使われる状態まで持っていく」ところまでが範囲です。導入の設計からの伴走は生成AI導入支援を、社内ナレッジをAIに集約する取り組みは社内GPT・RAG構築をご覧ください。

AI自動化のよくある質問

AIで自動化できる業務にはどんなものがありますか?

10種が代表です。問い合わせ対応とチャット、文書の作成と要約と検索、紙資料の電子化と横断検索、リサーチと調査、営業(商談前の下調べ・記録の要約と登録)、マーケティングと制作、コールセンターの一次対応と後処理、ソフトウェア開発、製造・設計の照合と技術伝承、バックオフィスの帳票処理です。効果が最も読みやすいのは、正解が手元にあって量が多い作業です。

AIとRPAは何が違いますか?どう使い分けますか?

RPAは決められた手順を正確に大量に繰り返すのが得意で、画面や様式が変わると止まります。生成AIは文章を読む・書く・分類するといった判断を含む作業が得意で、毎回同じ答えが要る処理には向きません。対立ではなく組み合わせで、読んで判断するところをAIが、決まった操作を繰り返すところをRPAが持つ分担が現実的です。

生成AIが苦手なこと、自動化の限界は何ですか?

4つです。毎回まったく同じ答えを返すこと(判定や計算に向かない)、正確な計算と集計、最新の事実や社内固有の情報(検索=RAGで渡さないと答えられない)、責任を伴う最終判断(根拠は出せても責任は持てない)。前の2つはRPAや従来のシステムの領分で、無理にAIへ寄せると確認の手間が増えて元が取れません。

AI自動化ツールはどう選べばよいですか?

6点です。自社の課題を1つ挙げて解けるかで試す、担当者本人に触ってもらう(管理者が判断しない)、自社の文書を実際に入れて日本語性能を見る、既存システムと繋がるか、対象業務を増やしたときに作り直しにならないか、入力が学習に使われないか・権限をどう絞れるか・記録が残るか。2番目を管理者だけで判断すると、導入後に使われない道具が残ります。

AIによる業務自動化はどう進めればよいですか?

3ステップです。現状分析と対象業務の選定(量が多く・手順が繰り返され・正解が確かめられる作業を選ぶ。いちばん大変な業務から始めない)、PoCで小さく作って決めた指標で測る(合格の条件を始める前に決める)、本格導入と効果測定(体制・権限・監視・改善の担当を決める)。効果は削減時間だけでなく、その時間で何ができるようになったかまで書けると稟議が通ります。

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